もう一度、恋をしよう。
ーー…パンッ!!
俺と真央しか居ない屋上に、乾いた音が響き渡った。
「酷い…酷いよ、大和くん…!!」
俺の頬を叩いた真央が、止めどなく溢れてくる涙を拭わずに唇をぎゅっと噛み締める。
「大和くんが優しい人だって知ってる。全部私の為だって事も分かってる…。
だけど、その優しさが私には辛いんだよ…!」
そう言い残し、開けっ放しになっていた屋上のドアに向かって真央は走り出す。
階段へと真央の姿が消えて行くけど、俺は後を追いかけなかった。
…手を取るのは真央にとって酷だと思ったから。
「……酷い、か。」
再びフェンスに寄り掛かり、俺は真央に言われた言葉を独り言のように呟く。
真央の言っていた事に対して反論なんてないし、その通りだと自分でも思う。
だけど俺は、そんな事を考えてる訳じゃない。