【完】一粒の雫がこぼれおちて。





「和泉くん、ありがとう。」


「どういたしまして。」



2人とも食べ終えて、お会計時。


自分の分は自分で払おうとしたのに、なぜか和泉くんが全額払ってくれた。



自分で払う、って言ったのに。


和泉くんは財布を出すことさえ、絶対に許してくれなくて。


最終的に言われたことが。



「僕のいうこと聞けないわけ?」


……という、僕様発言。



なので結局、エビグラタン代もあとから注文したイチゴジェラート代も、和泉くんが払ってくれた。



「学校のみんなが知ったら、一気にモテちゃいそう……。」



眼鏡を外した和泉くんは誰よりも綺麗だし、その上普段からあんなに優しかったら……。


……想像して、少し妬いてしまう。





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