【完】一粒の雫がこぼれおちて。
でも少しだけ、その考えを変える。
――♪〜♪♪〜〜♪〜
さっきから何度も鳴り響く、携帯の着信音。
勿論、倉橋の携帯だ。
かけて来てるのは全て同じ人間、“大ちゃん”。
わざわざ確かめたわけじゃない。
倉橋のポケットから携帯が落ちて来て、名前が見えたんだ。
……それより。
1度電話に出なかった場合って、そう何度も連続にかけ直すものなのか?
せめて少し時間を置いてからとか、用件はメールにするとか。
この“大ちゃん”とやらは、そんなことも考えつかない馬鹿なんだろうか。
3分置きにかけてくるのはよっぽどの急用か、ただの馬鹿以外有り得ない。
多分、コイツは後者だろう。