【完】一粒の雫がこぼれおちて。
「チッ……まぁいい。で、おまえはしずくの何だ。」
「何って……知人? クラスメート?」
もう少し分かりやすく言えば、コイツにストーカーされてる被害者。
……さすがにそれは言えない。
「それだけか?」
「それ以外何があるって言うの。生憎、僕はコイツのことを何とも思ってなくてね。」
僕がそう言えば、電話の向こうの相手は言葉を詰まらせた。
……で、いつまで電話は続ければいいんだ?
用件も言わないし、切っていいだろうか。
そう思っていた矢先、“大ちゃん”が再び言葉を発っす。
「今、しずくは?」
「僕の肩を枕にして、ずっと眠ってるよ。用件なら僕が聞くけど?」