【完】一粒の雫がこぼれおちて。
……置いておこうと、したときだ。
「和泉、くん……?」
漸く、僕の肩を枕代わりにしていた馬鹿が起きた。
「起きたのなら、さっさとその頭退けてくれないかな。」
重くはなかったけど、さすがに肩が痺れて痛い。
「え、わ、わぁ!! ごっ、ごめんねっ、和泉くん!」
「謝るぐらいなら、最初からしないでほしいよね。」
「う、うぅ……ごめん……。」
顔を少し俯かせてそう言う倉橋の顔を見る限り、どうやら本当に反省しているようで……。
「……別に、反省してるならいい。」
許す気なんて無かったのに、思わずそう言ってしまった。
何でだろうか。
よく言う、コイツに付き纏われている内に情が湧いたとか……?