LEGEND GIRL 1

〈カナトサイド〉

…リン。一体何を考えているんだ?


あいつらについて行くだなんて…


リンらしくない…




ウィーン



着いた…
多分、ここだろうな…



「…リン、来たよ。」


カツン…


『ごめんね。カナト、黙って行ったりして、』



やっぱり、ここか…

あれ?リンの服…ドレスじゃん…

キレイだな…


「別に、いいよ。…それより、何でそんな格好をしてるの?びっくりしたよ。」



『…あの2人の家に行ったら無理やりきせられたのよ…』



「そっか♪とっても似合ってるよ♪」

『ふふっ、ありがと』


「それより、僕、初めてここに入ったよ?と言っても真っ暗で何も見えないけどね♪」


嘘だけどね…本当は見えるよ…

だって、暗闇の中、仕事をしなきゃだからね…



『うふふ。…カナト…おいで?』


もちろん、リンも暗闇の中でも大丈夫…

そして、僕が暗闇でもちゃんと見ていることもわかっている…

あぁ、手を広げて待ってるリンが見える…


ほんとに、リンは…可愛いな…


「リン〜♪ギュー♪」


『あら?見えなかったんじゃないの?』



「真っ暗でもちゃんと見えるもん♪」

『うふふ、さっきと言ってることが違うわよ?まぁ、知っていたけど。』


「そ〜だよ、だからね、リン。この部屋も真っ暗にしても僕には意味がないんだよ?」


『……ええ、そうね。』



あぁ、まだか…


まだ、忘れられないでいるんだね…



リン…




もう忘れなよ…





あんなやつ……


『さぁ、それじゃぁ、私ももう戻るわね。』


「えぇー?!せっかくあの双子から逃げてきて、僕に会いに来てくれたのにー?」

『何を言ってるの?逃げてきたんじゃなくて、抜けて来たの。』


「えぇー?そ〜だったのー?ショックー!」


『はいはい、じゃぁまたね。』


カツン…カツン…カツン…



リン…僕が…




僕が…あいつを忘れさせてあげるから…


僕が…君を…



「助けるからね。」


< 92 / 119 >

この作品をシェア

pagetop