LEGEND GIRL 1
〈カナトサイド〉
…リン。一体何を考えているんだ?
あいつらについて行くだなんて…
リンらしくない…
ウィーン
着いた…
多分、ここだろうな…
「…リン、来たよ。」
カツン…
『ごめんね。カナト、黙って行ったりして、』
やっぱり、ここか…
あれ?リンの服…ドレスじゃん…
キレイだな…
「別に、いいよ。…それより、何でそんな格好をしてるの?びっくりしたよ。」
『…あの2人の家に行ったら無理やりきせられたのよ…』
「そっか♪とっても似合ってるよ♪」
『ふふっ、ありがと』
「それより、僕、初めてここに入ったよ?と言っても真っ暗で何も見えないけどね♪」
嘘だけどね…本当は見えるよ…
だって、暗闇の中、仕事をしなきゃだからね…
『うふふ。…カナト…おいで?』
もちろん、リンも暗闇の中でも大丈夫…
そして、僕が暗闇でもちゃんと見ていることもわかっている…
あぁ、手を広げて待ってるリンが見える…
ほんとに、リンは…可愛いな…
「リン〜♪ギュー♪」
『あら?見えなかったんじゃないの?』
「真っ暗でもちゃんと見えるもん♪」
『うふふ、さっきと言ってることが違うわよ?まぁ、知っていたけど。』
「そ〜だよ、だからね、リン。この部屋も真っ暗にしても僕には意味がないんだよ?」
『……ええ、そうね。』
あぁ、まだか…
まだ、忘れられないでいるんだね…
リン…
もう忘れなよ…
あんなやつ……
『さぁ、それじゃぁ、私ももう戻るわね。』
「えぇー?!せっかくあの双子から逃げてきて、僕に会いに来てくれたのにー?」
『何を言ってるの?逃げてきたんじゃなくて、抜けて来たの。』
「えぇー?そ〜だったのー?ショックー!」
『はいはい、じゃぁまたね。』
カツン…カツン…カツン…
リン…僕が…
僕が…あいつを忘れさせてあげるから…
僕が…君を…
「助けるからね。」