君が隣にいた1年間
雪と少女
▶▨一日目▨◀


「行ってきます」

誰もいない部屋に習慣になった挨拶をする。当然返事はない。

いや、むしろあったら困るんだが。

今日は一月一日、元旦。

昨日の夜は友人とはしゃぎ過ぎて、結局初詣には行けなかったから、今から行くことにした。

友人も誘ったのだが、軒並み断られてしまった。理由は全て「寝たい」という内容だ。


すっかり白く染まった街を眺め、アパートの階段を降りる。
やっぱり、寒いな…。
そう思い、マフラーに顔を埋めた。

こんなに雪が積もるのも、珍しい。

「うぅ……」

突如声のような物が聞こえ、進行方向とは逆の方向に振り返った。

そこには見知らぬ少女が倒れていた。

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