君だから〜たった一人の君〜

―――誰にも渡したくない。


「…アンタには、渡さん」


ねえ、遊馬


やっとアンタの気持ち、わかったよ。


誰にも渡したくない。


譲りたくない。


負けたくない。


「アンタには負けん」







「…良かった」


「はぁ?」


ふわりと微笑む麗香。


「あなたがそう言わないんなら、あたしは亮くんのこと無理やり奪うつもりやったから。…勝負、ですね」


さっきまでの弱気な態度はどこに行ったのか…。


強気に微笑む麗香。

< 148 / 210 >

この作品をシェア

pagetop