君だから〜たった一人の君〜

亜倖の前髪を撫でたまま、目を合わせるように覗き込む。


「上がったら待っとけ」


「?…うん」


「じゃあな」


ボーッとしたまま、髪を洗う。


「さっき亮と何話してたん?」


「上がったら待っとけって」


「えぇ?!それってまさか…告白とか!?」


「…はぁ?!」


亜鶴弥の台詞で亜倖がいつも通りになる。


「あ、戻った」


「いやいや…告白はないやろ!!それより…亜鶴弥告るん?」


「うん、告る!!」


「ウチ…なんも出来んかったけど、上手く行くよう願っとくからな!!」

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