君だから〜たった一人の君〜

「お姉ちゃんー!アタシの靴下知らんー?!」


「知らんーーー!!」


ふとタンスを見る。


「…あ」


見覚えのある紗倖の靴下。


何もなかったかの様に、目を背ける。


知らん。ウチは何っも見てない。


「亜倖ー!孝倖ー!紗倖ー!もう家出んと遅刻するでー!」


「「「へーい!」」」


鞄を持ってドアノブを掴んで部屋を出ようとすると、見える元“相棒”。


「…行ってくるわ」


―パタン…ッ


「「「行ってきまーす」」」


「気ぃ付けてなぁー!」


学校…どんなとこやろか…。


さすがにちょっとは不安やな…。


友だち、出来るとえぇねんけど。

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