ヒトミ
2年前の出会い
いつものように母は5万円を集めてくるまで家に入れてくれなかった。

当時私は14歳で、中学生だった。

中学生では当然働けなかったので、お金は全くと言っていいほど集まらなかった。

朝早い時間から暗く、遅い時間まで、足場の悪い道を1人でトボトボと歩いていた。

3日間家に入れてもらえなかった日もあり、あの時の空腹や疲労を思い出すと、震え、焦る。

しかも、いつもの事だとは言っても、夜は怖かった。

暗闇の中に、まだ人には知られていない、得体の知らない闇の生命体が潜んでいるのではないか?

と怯え、さらに焦って転んで血まみれになることも多々あった。
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