あの日失くした星空に、君を映して。
「なんか変な雰囲気やったけん、ほっとけんかったんよ」
授業のことは気にしてないって感じで笑う美里さんに、風香は深く眉を寄せた。
仲がいいわけじゃないって言ってたっけ。
でも名前で呼び合ってるし、嫌悪な感じではなさそう。
何が不服なのかわからない。
「勝手にサボったことにしとってよ。あたしらまでとばっちりは嫌やけんな」
…もしかして風香が気にしてるのって山本先生のこと…?
わ、私も一緒に怒られるのは嫌だ…
「い…言わないでね…」
本当に山本先生は怖いの。
「言わんけん安心してよ。てか、2人共山本のこと警戒しすぎやないん?そんな怖くないやん、クマやけど」
「山本先生にそんなん言えるの美里だけやろ…」
呆れたように風香が言うけれど、その通りだ。
呼び捨てはおろか、クマだなんて絶対に、口が裂けても言えない。