あの日失くした星空に、君を映して。
サラリと言い放たれて、思わず石段に置いていた足を踏み外した。
あっぶな…これ下はドロドロだから落ちたら大変なことになってた。
じゃなくて…!
え…いや、うん、知ってたけれど。
そんな簡単に終わったとは言えないものだけれど。
目の前でそうはっきり言われると…
「もー、そんな顔せんの!」
「だ、だって」
今度はわかるよ、私今すっごい泣きそうな顔してる。
ダメだ、だって今泣きたいのは私じゃない。
「深影のそばにおる子のこと最初は気に入らんかったけどな、こんな可愛い子なんやもん仕方ないわって思ったんよ」
「仕方なくないよ…っ」
誰の方がどうとか、そういう問題じゃない。
ただ、自分の気持ちに仕方ないなんて言ってほしくない。
「大丈夫やって。深影がいつまでもウジウジしとってなかなか言ってくれんかった時の方が辛かったけん」
どうしてこんなにも女の子って強いんだろう。
悲痛げな面持ちじゃない、むしろ明るくそう言った美里さんはとってもキラキラしてる。