あの日失くした星空に、君を映して。


涙は出てこない。


悲しいわけじゃない。


ならばなんだろうこの…虚無感のようなものは。


確かに失くしはしたけれど、正直まだ実感がない。


窓の外には雲ひとつない夜空が広がる。


転々と見える星は今日も空が排気ガスに覆われるせいで不鮮明だ。


あの日は星が綺麗だったかもしれないのに。


なんでこんなことになったんだろう。


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