あの日失くした星空に、君を映して。
「好きなの食べてな。あ、でもあんぱんはあたしのやけん!」
サッと先にあんぱんを頬張って、慌ただしくまた家の中に戻っていった風香。
「風香って落ち着きないやろ?いつもあんなんやけん疲れる」
やれやれ、と言いたげに早速パンを頬張って深影がため息をつく。
疲れるってさすがに言い過ぎな気が…
チラッと正面に座る工藤くんを見ると、無心で長いフランスパンをかじっている。
工藤くんってなんか…不思議な人だな。
無造作に跳ねた髪は天然っぽくてむしろ可愛いし、一見クールな立ち振舞いもモテそう。
深影もけっこう整った顔をしているけれど、工藤くんもこうして見るとかなりかっこいい…
そう思いながら工藤くんをジッと見ていると
「なに?」
フランスパンを頬張りながら顔を上げた。
「ううん、なんでもない」
見惚れていたわけじゃないけれど、人の顔をジッと見るなんて失礼だったかな。
バスケットの中からメロンパンを取って一口。
「おいしい………!」
なにこれ!
出来立てだからかな…あったかくてサクサクしてるし、甘くておいしい。