あの日失くした星空に、君を映して。
「気に入ってくれたんならよかったわ」
再びドアにぶら下がるベルが鳴って、コップとジュースのペットボトルを持った風香が出てきた。
「ごめんなーオレンジしかなくて。鏡華はさっき飲んだけん飽きとんかもしれんけど…」
「ううん!全然!私オレンジジュース好きなの」
「そうなん?あたしと同じやな」
あんこをほっぺにつけた風香がコップにオレンジジュースを注いで渡してくれる。
メロンパンを食べかけたままオレンジジュースを飲むのって、どうなんだろう。
まだメロンパンの甘さが残る口の中にオレンジジュースを流し込む。
程よい酸味が効いたオレンジジュースは今までに飲んだことのない味で、メロンパンの後味といい感じに絡んだ。
「このオレンジジュース…」
「あ、気付いた?それな、ここら辺でしか売ってないやつなんよ」
だから飲んだことのない味なんだ。
加工されて甘さが大半を締めるオレンジジュースばかり飲んでいたから、まさに搾り立てっていうのは初めて。
夢中になって飲み干すと、すぐにおかわりを注いでくれた。