あの日失くした星空に、君を映して。


「気に入ってくれたんならよかったわ」


再びドアにぶら下がるベルが鳴って、コップとジュースのペットボトルを持った風香が出てきた。


「ごめんなーオレンジしかなくて。鏡華はさっき飲んだけん飽きとんかもしれんけど…」


「ううん!全然!私オレンジジュース好きなの」


「そうなん?あたしと同じやな」


あんこをほっぺにつけた風香がコップにオレンジジュースを注いで渡してくれる。


メロンパンを食べかけたままオレンジジュースを飲むのって、どうなんだろう。


まだメロンパンの甘さが残る口の中にオレンジジュースを流し込む。


程よい酸味が効いたオレンジジュースは今までに飲んだことのない味で、メロンパンの後味といい感じに絡んだ。


「このオレンジジュース…」


「あ、気付いた?それな、ここら辺でしか売ってないやつなんよ」


だから飲んだことのない味なんだ。


加工されて甘さが大半を締めるオレンジジュースばかり飲んでいたから、まさに搾り立てっていうのは初めて。


夢中になって飲み干すと、すぐにおかわりを注いでくれた。


< 59 / 427 >

この作品をシェア

pagetop