咲かない花
それから3日後の火曜日。

「それじゃあ今日はこれで終わりー」
「はーい!」
「茉莉センセー、さようならー」
「また明後日ー」
「気をつけてね」
「あ。大ちゃん先生」

え!?
と思ったときには「失礼しまーす」という二宮くんの声が聞こえて。

「菱ヶ谷先生」
「な・・・にか」
「ちょっといいすか」

部員の女生徒は、当然私が窮地だと知らず、「明日は休み!」とウキウキしながら、一人、また一人帰っていく。

ど、どうしよう・・・。
この子たちにまぎれて出ようかと考えたけど、そんなことをしても二宮くんにすぐ捕まってしまうのは目に見えてるし。

しょうがない。
今ここで話を聞いたほうが・・いや、聞くしかないか。

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