咲かない花
「於保先生!私は結局何をすればいいんですか」
「大輔はあっちでプレーするんで、こいつらのプレーを見ててほしいんです。大輔曰く、菱ヶ谷さんは美術の先生だから、人や物を観察する眼は養われているはずだと」
「あ・・・ぁ。なるほど」
「こいつらのフォームを見て、菱ヶ谷さんが思ったことを教えてほしい」
「分かりました」
「とりあえず、1セット目だけでもよろしく」


ということは、私は男子バレー部の生徒たちの方を見てなきゃいけないわけで。
二宮くんのプレー姿をじっくり見れないのは、正直残念だと思うけど、でも返って良かったかもしれない。

だって、そういう制限がなければ、私はたぶん、二宮くんばかり目で追いかけてしまうから。

それでも、「ヤスさーんっ!」と呼ぶ二宮くんの声が聞こえると、ついあっちに目が行ってしまう。
・・・ダメ!こっちに集中集中!!

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