咲かない花
対して、質問をふられた二宮くんは、平然とした顔で「ありますよ」と言って・・・。
その答えを聞いた私は、吸い寄せられるように、二宮くんの涼しく凛々しい顔を見た。

「あらホント?」
「はい。でも当時の彼女は3月生まれで、俺5月だから、2ヶ月ちょいしか年上じゃなかったんですけど、それでも1学年違って。で、その彼女が大学行ったのを機に別れたんですよね。だから、俺としては、年の差とか年上の彼女より、学年差のほうが、つき合い続けることは難しいと思います」
「てことは、二宮くんって年上好み?」
「うーん・・・。俺の場合、好きになった人が、たまたま年上だったってだけで、別に狙ってはないです。今まで年上の女性とつき合ったのは、その彼女だけだし」
「じゃあ私でもオッケーってことだよねっ?」とウキウキ顔で問いかける長尾さんに、二宮くんは、「いえ。俺好きな人いるんで」と素っ気なく答えた。

< 95 / 135 >

この作品をシェア

pagetop