透明ガール
ピロリンッ ピロリンッ
ピロピロピロピロピロ ピロリンッ
…安心したのもつかの間だった。
何故かさっきよりも怖い音に聴こえる電子音が、止まることなく流れ始めた。
これは、アレだ。
無視し続けたら確実に殺されるパターンだね。うん。
深い溜息を落としつつスマホを手に取る。
「…はい」
『それでね、明日の朝10時に駅前集合だからっ!よろしくね〜』
冬華は、まるで何事も無かったかの様に話を続ける。
「…ぅん…。っていうかさ、私水着持ってないよ?……あっ!じゃあ行けないかぁ!ごめんね!行きたいけどさ!水着ない…」
『うん!知ってる!今から一緒に買いに行くから大丈夫だよぉ〜?今から家行くから待ってて。……ね?行きたいんでしょう?』
「…はい。了解でございます」
私が答えると『じゃ、すぐ行くから』という声と共に電話が切れた。
Oh…
さようなら…
私の明日。