透明ガール

しかし心臓の動きは速くなったままだ。



胸の辺りがかっかする。





恋をしたことのない私。


こんなにも息をするのが辛いのは久しぶりだ。



しばらくの間沈黙が流れ、



「じ、時間だから、教室戻ろうか」



「う、ん。」




榎本の言葉に俯きながら頷く。



くるりと背を向け歩きだした榎本の後ろについて教室に向かった。
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