猫の恩返し
「今日なんですけどね、牧野さんが係長に誘われたって…言ったじゃないですか」


「あ?あ、ああ…」


俺の口が固いかどうかは、もういいのか?


そんな風に思いながら、適当に相槌を打った


「係長…牧野さんのこと、好きみたいなんですよ」


「見てたら分かる」


本人には相手にされてないみたいだけどな


「ですよね」


同意を求めるようにハハッと笑う下村

牧野は鋭いから、係長の気持ちぐらい気付いてるとは思うが…


「それと、俺の口が固いかどうか…関係あるのか?」


それだけなら話の辻褄が合わない


「………牧野さんがね、真剣に悩んでるらしいんですよ」


「係長と付き合うか?」


俺の言葉に黙って頷く


「いいんじゃねーの?外野がどうこう言う話じゃねーだろ」


恋愛なんて、所詮本人達の気持ち次第

周りからは不幸に見えたって、当人が幸せなら口を挟むのは見当違いだ


俺は逆だったけどな…


ついさっき会った雅美とのことを思い出し、一人鼻を鳴らした
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