猫の恩返し
「だって、また傷付いたら可哀相じゃないですか」


『また』?


「『また』って、何だよ」


「へ?」


「お前、今言っただろ?」


「え?主任、知らないんですか?同じ職場に居たのに…」


何だ?

俺だけ何も知らないのか?


「牧野さんと係長、付き合ってたんですよ」


牧野と係長がねぇ………

………………


「はぁっ?!マジか!」


3人が居る方に視線を向けると、俺の大声に気付いたらしく、皆首を傾げている


「そんなに驚かなくてもいいでしょ」


下村は呆れたように笑ったが、開いた口が塞がらない


「いつの…間に…?」


言っちゃ悪いが、係長の女好きは結構な噂


特定の彼女を作らず、気に入った女と気の済むまで遊ぶ

特定の彼女が出来ても、他の女に手を出す


ただ、本人に確認したわけでもないし、そういう現場を見たわけでもないから、相槌を求められても適当に流してきた

本人は飄々としているから、俺も特に突っ込んだ話はしたことがない
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