猫の恩返し
「何?」


「………あのね…。何かドキドキするっていうか、キューッてするっていうか………。うまく言えないんだけど───」


唇を尖らせて、考えながら目を左右に動かす


「もっと…してほしい」


「お前………。せっかく我慢してんのに、煽んなよ」


「だって───」


何かを言いかけた唇を、もう一度塞いだ


今の今まで、ずっと我慢してたのに…

自分の気持ちを押し付けるなんて、ナツにするつもりはなかったのに…


「トーゴの好きなようにしていいよ?」


ナツの一言で

体の中で、プツンって音が鳴った気がする


「もう…知らねーからな」


その夜は、自分の欲望のままにナツを抱き続けた
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