猫の恩返し
△▼△▼△▼


「ってことで…悪いけど、ここに置いててやってくれ」


さっきまでの事情を皆に説明し、会計課の空いてる席にナツを座らせる


「すっごいサラサラー。どうやったら、髪の毛こんなにツヤツヤになるの?シャンプーのCMに出てるモデルさんみたーい」


牧野がナツの髪の毛を手で梳(す)き、感嘆の声を上げた

ナツは、いきなり髪の毛を触られたことに驚いたらしく、体を硬直させている


「主任、こんなに可愛い彼女居たんですねー」


牧野より2年後輩の下村(しもむら)が、ニヤッと笑いながら俺を見た


女って、何でそんなに色恋沙汰が好きなんだ


「彼女じゃない!」


猫が彼女なわけないだろ!

と、ツッコみたい気持ちを抑えて、下村の言葉を否定した


「あら。目、金色だー」


「そうなんですかー?あ、ホント。カラコン…じゃない…よね?すっごぉーい」


きゃいきゃいとはしゃぐ2人は、普段職場で見せている仕事モードなど皆無

無愛想な表情ばかり見ている俺としては、意外な一面を見たというか…別人を見ている気分だ


「すみません」


「はい?」


さすが…と言うべきか

カウンターから声を掛けられると、すぐに仕事モードに切り替わる牧野
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