……っぽい。
 
元カノさんのことは、なし崩し的に同居を迫られた際、なぜか笠松が自ら語って以来、話題に上ったこともなかったけれど、もし本当に笠松が私に演技ではなく“好意”を寄せてくれているのだとしたら、元カノさんの次が私って、どうにも気の毒に思えて仕方がない。

よくできた子だったっていうし、疲れていても求められれば応じてくれたっていうし、普段は温厚な性格だったという。

私とほとんど逆じゃないの。

笠松大丈夫なの……。

と。


「ん、んー……。……あれ、俺……」

「ごめん、起こしたね」


笠松、お目覚めである。

布団の中でモゾモゾと動き、ベッド脇に膝をついていた私のほうへと自身の体を向かせた笠松は、吐いて少し寝て落ち着いたのか、顔色がよくなりつつあるようで一安心だ。


「香久山さんが送ってくれたんだよ。てか、あんまり大きい人だったからビックリしたよー。笠松の服が入らなくてさ、さっきまで裸で私と世間話してたんだ。斬新だよね、あの人」


口を開きはしないものの、状況説明を乞う目で見つめられて、オエオエから今までの経緯をかいつまんで説明する。

世間話の内容まではさすがに言えないけれど。
 
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