……っぽい。
それはさておき。
「想われる幸せ、かあ……」
私も『めんこい課』に戻るために廊下を歩いていると、ふと独白がこぼれた。
確かに今私は笠松からたくさんの幸せを注いでもらっていて、今までの恋愛経験から、しほりの言うことは私にとって一番幸せを感じられる恋愛の形であることは揺るぎないこと。
でも、それだけでいいのかなとも正直思う。
想ってもらう恋も幸せだけれど、想う恋だってやっぱり幸せで、口では“女の子は溺愛されてなんぼでしょう!”とは言うけれど、笠松だって想われたいはずだと思うのだ。
……元カノさんから想われていたように。
「ああ、なんか知恵熱出そう」
最近の私は、同棲していたという元カノさんのことを考えると、なぜかぎゅーっと胸が苦しくなって、頭がぼんやりしてきてしまう。
普段、あまり恋愛事の奥深いところまで考えないからか、いい加減考えるのを放棄したいのに頭が勝手にあれやこれやと想像してしまって、元カノさんに対して嫉妬のような羨望のような気持ちも湧いてくるから、不思議なのだ。
「ん? 私も笠松のこと、好き……っぽい?」
また独白をこぼしつつ、ふと立ち止まると、そこは『めんこい課』に続く廊下の、栄養ドリンクばかりを販売している不思議自販機の前。