……っぽい。
私も初めてなった過呼吸に心底驚いたけれど、笠松のほうがもっと驚いたに違いない。
だって興奮しすぎて過呼吸って……。
私、どんだけギンギンしていたのだろう、マムッポンも飲んでいなかったのに。
「……先輩は、過呼吸の原因、自分ではなんだと思ってます?」
また恥ずかしさで顔を俯けていると、口を開いた笠松が静かにそう尋ねてきた。
怒っている感じではなかったけれど、やっぱり言葉の端々に刺々しさが若干残っている。
「うーん、たぶん笠松にがっつきすぎてだと思う。どうやら過呼吸になるくらい興奮しちゃってたみたいでね。恥ずかしいなあ、もう」
「それ、本気で言ってます?」
「ん? うん、けっこう本気だけど……え、笠松は違うふうに思ってるの? 私、神経図太いからすぐに立ち直れるし、考えられる原因っていったら、それくらいしか思いつかないよ」
穏やか医師に言った、神経が図太いという台詞を笠松にも繰り返し言いながら、やっぱり過呼吸の原因はそれしかないなと自答する。
けれど、廊下の途中でぴたりと立ち止まった笠松は、不思議に思い振り向いた私に、見ているこちらが泣きたくなるほど悲しそうに瞳を揺らしながら、それでも目を逸らすことなく真っ直ぐに見つめ、こう言うのだ。