……っぽい。
 
正解、と言ってくれるだろうかとドキドキしながら待っていると、笠松は子供みたいに無邪気に笑って、私の頭を優しく撫でる。

これがわりと、至福のとき。


「正解です。でも、先輩の恋愛矯正はまだ時間がかかりそうですね。いちいちおさらいしてあげないと、自分が誰にどれくらい愛されているか、すぐ見失っちゃうんですから」

「いやもう、面目ない……」

「分かっているならしっかり自覚しなさい」

「スミマセン」


笠松は私が好き、笠松は私が好き……と何度か自己暗示をかけると、私は笠松の後ろに移動し、肩からタオルを奪って髪の毛を拭いてあげた。

笠松の髪の毛は柔らかく、緩いウェーブは天然なのだそうで、一緒に寝ていると、なぜかトイプーと寝ている錯覚に陥ることがある。

確実に白目を剥いて怒られるので絶対に言うつもりはないけれど、子犬の、と表現しておく。


まあそれはいいとして、正当な恋人同士が普通にしていることが私にはないわけで、子犬系男子ときどき野獣な笠松は、素でボケる私にこの通りの根気強い教育を施してくれている。

知的メガネの笠松はドS教師、私はドベ子。

こういう関係も結構楽しめているのは、やっぱり笠松だからこそなのだろうと、今度はドライヤーをかけてあげながら噛みしめる私だ。
 
< 144 / 349 >

この作品をシェア

pagetop