……っぽい。
「ほんでもさ、つい最近まで長いことつき合ってたっていう元カノさんの存在が、なーんか気になるのよね、私的には」
翌日、お昼休み、託児所内。
例のごとく、休憩スペースで拓人くんにおっぱいをあげながら器用にお弁当を食べていたしほりが、マイボトルのお茶に手を伸ばしたタイミングでおっかないことを言い出した。
しほりには全てを話している。
過呼吸になったことは自分の事のように心配してくれたし、笠松と結ばれた話は「よく辛抱して“待て”した甲斐があったね」と、なぜか笠松を犬呼ばわりし、労をねぎらっていた。
それは私だけの特権だ!心の!
香久山さんがベッドを新調してくれたおかげで過呼吸が治まっている話では、やはり「ナイスアシスト!」と言って、会ったこともない彼から拓人くんのドレッサーを買おうとしている。
そんな素敵姐さんしほり嬢ではあるけれど、今のおっかない一言には、さすがに頷きかねた。
「もー。やめてよ、しほり。今超ラブラブっとしてるところに、どうして水を差すようなことを言うかな。人妻の余裕か、ちくしょうめ!」
「バカ。私は心配してんの。素直にありがたく受け取ってよ。ほんっと海月、面倒くさい」
「しどい!」
いけない、噛んでしまった。
「ひどい!」