……っぽい。
けれど、しほりに言われなくても、過呼吸の件で笠松から千晶さんの話を聞いてからというもの、気になっているのは確かで。
もしもセオリー通りに部屋に千晶さんが訪ねてきたらどうしよう!という危惧は、ここ最近、ずっと持ち続けているのも確かなのだ。
今は6月下旬。
笠松と千晶さんが別れたというのが年明けだと聞いたので、寂しさを募らせて“やっぱりヨリを戻したい!”と思い至るまでに、わりといい間隔が空いているのではないかと思う。
だって。
表現が適切かどうか分からないけれど、無意識でも心で浮気されていた笠松と、それでも大好きだからずっと同棲生活を続けていたのだ。
たまらなくなって千晶さんのほうが実質的な浮気をしてしまったとはいえ、それだって笠松に自分だけを見てほしかったからで……。
それに私が一枚噛んでいるというのだから、今さらながら、とんでもなくヘビーだ。
頭がガンガンするくらい、ヘビーな話だ。
……ん? ガンガン?
「……海月、大丈夫!?」
「あい?」
「あんた、熱でもあるんじゃないの?」
しほりの声で顔を上げると、彼女は拓人くんに吸わせていた左乳を見事にポロリさせ、椅子から立ち上がり、こちらに身を乗り出していた。