……っぽい。
「言い直さなくていいわよ。それより見て見て拓ちゃん、このおばちゃんバカなのよ~」と、ちょっとぐずりだした拓人くんをあやすがてら面と向かって悪口を言ってくるしほりに、私はべーっと舌を出して、ぶうたれる。
おばちゃんも大概ひどい……。
でも、しほりが言ったように、一難去ってまた一難というのが恋愛のセオリーだ。
笠松にとっての一難があの人--真人の存在であるように、私にとっての一難は、今はもうすっかり縁が切れているとはいえ元カノさん--瀬川千晶さんという女性の存在である。
ここだけの話、笠松は、女性経験が千晶さんだけだというのが俄かには信じられないくらい、キスもえっちもやたらと上手い。
私なんて2回も3回も簡単にコロッとイかされてしまって、ベッドの上ではハングリーな野獣に豹変するワル格好いい笠松のいいオモチャとして、夜な夜なウヘヘと遊ばれている。
それゆえに、千晶さんのテクニックはさぞかし凄かろうと思うし、どんだけ千晶さんに仕込まれていたのよ笠松……と少々ヘコむわけである。
いや、張り合うところがそこではないことくらい、私だって重々承知ではあるのだ。
テクニックは今からでも磨けばいいのだし。