……っぽい。
「へえ、橘先輩が」
「うん、なんかソレに拝んでたなあ。これで仲直りができたら300円なんざ惜しくはない、みたいなことを言いながら。あんたら、ケンカしてるっぽかったもんね。バナやんのほうから仲直りしたいっていうことなんじゃない? よかったじゃん、貪っちゃいなよ」
「そういうの会社で言うのやめて……」
今ので俺のHPが瀕死寸前になった。
田原さんは、なぜか先輩と俺が同居をしていることまで突き止めていて、事あるごとにこうして揺さぶりをかけてくるのだ。
ほかの社員には口を割っていないようなのがせめてもの救いというところではあるが、いつどこで、どんなタイミングで眼光鋭く観察されているか分からないのが怖いしやめてほしい。
彼女の格好のオモチャは、今は俺だ。
ツラいよ、早くターゲット変えてくれ……。
「ごめんごめん。でもバナやん、今日は張り切るらしいよ。何を張り切るかまでは分からないけど、笠松君の思うようなことなんじゃない?」
「そ、そうなんですか?」
「うん。ふりふりのネグリジェ着て、スタミナ満点のハンバーグ焼いて……って、給湯室でコップ洗いながら言ってたの、私聞いたの」
「……」