……っぽい。
何をしているんだ、あのバカ松は……。
この間私に、香久山さんのことを『コイツ、高級家具とか平気で売りつけようとしてくる』とかなんとか言っていたくせに、自分はその香久山さんにプロテイン売りつけるって。
いくら大学時代の話だったとはいえ、アホだ。
「ていうか、笠松が“ジュンノ”ですか!なんか斜め45度的なあだ名ですね。へぇ、でも、そういうふうに呼ばれてたんですね〜」
「橘さんはなんて呼んでます?」
「え、普通に笠松です」
「え、苗字でですか?」
「はい、笠松が入社してきたときからそう呼んでますし、今さら下の名前で呼ぶのって、なんかこっ恥ずかしいじゃないですか。あーでも、準ちゃんって呼ばれるのが昔からの夢だったとか言ってたような……。呼んでませんけどね」
「そう、ですか」
瀧川さんが相づちとともに紅茶を口に運んだので、私もそれに倣ってカップの中を特に意味もなくクルクルとかき混ぜてみる。
そういえば私、けっこう重い風邪を引いていたはずだけど、ほぼ1日寝たし、瀧川さんと話していたら良くなってきたかもしれない。
確か、スマイルカットのオレンジとオムライスが冷蔵庫に入っている、なんて出掛けに笠松が言っていたような気がするけれど、うーむ、瀧川さんも一緒に食べてくれるかしら。