……っぽい。

ずっと、こう言いたかったんです

 



翌朝。

目が覚めると、笠松はなぜかネクタイを握りしめたまま爆睡していて、今度は手首でも縛るつもりでいたのかと、ちょっとギョッとした。

それはそれとして、部屋は昨夜のまま。

飲み散らかしたノンアルの缶がコロリと転がっていたり、開けっぱなしのポテチの袋の中で中身が悲しいことになっていたりと、まあまあ予想の範囲内の散らかしっぷり。

そんな中、やっぱり千晶さんが来たのは夢じゃなかったんだと思わせたのは、丁寧に畳まれたネグリジェを発見したときだった。


「……千晶さん、ちゃんと言えたんだろか」


ネグリジェを拾い上げながら、昨日の千晶さんの切なそうな顔を思い出し、胸が痛んだ。

千晶さんはきっと、笠松に再度想いを告げに来たのだ、別れてからも忘れられないと、笠松じゃなきゃダメ、自分を選んでほしいと。

笠松のことは言えないけれど、私も昨夜はかなりの爆睡具合だったので、その辺りのことは想像でしかないものの、男の戦闘服を身に纏ったままネクタイを握りしめて爆睡している笠松を見ると、相当疲れたんだろうなということだけは分かってしまって、色々な意味で申し訳ない。


「お疲れさま」


なるべく物音を立てないようにして少しだけ部屋の中を片付けると、ゆっくりとベッドに腰かけ、ぽむ、と笠松の頭に手を置く。
 
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