……っぽい。
 
煉瓦で舗装された道路がアスファルトに慣れた足に心地よく、思わず下ばかり見て煉瓦の数を数えそうになるけれど、顔を上げれば、道の両脇に並ぶお店の外観も煉瓦調で統一されているのが、とにかく可愛らしくて目を引く。

雑貨屋さんも多く、競い合うようにして店先にイースターのグッズを出している。


あんなことがあったばかりだけれど、可愛いものやお洒落なものを見ると、不思議と元気になってくるのは、アラサーといえども一応は女子である証拠なのだろうと私は思う。

「可愛いものを見てると元気になれそう」と私がこぼせば、笠松からは「おっ、女の子発言じゃないっすか先輩」と軽口が返ってくる。


そうこうしていると、笠松が「ここなんですけど……」と言いながら足を止めた。

笠松に倣って顔を向ければ、そこには順番待ちのカップルたちがズラリと並んでいて、ちらりと見えた待ち時間の目安は45分、とある。


「外で45分は、さすがにキツいっすよね……」

「今日、けっこう冷え込んでるもんね」


暦の上では春でも、夜はまだ寒さが残るこの時期に、どのカップルも一様に彼氏が寒がる彼女を温めてあげたり、風よけになってあげたり、仲むつまじく順番を待っていた。
 
< 5 / 349 >

この作品をシェア

pagetop