わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜



「ねぇここあ!!!」

『あーだりー………』

「えっ!?」


一人言を呟いて保健室を出ようとしているここあに手を伸ばす。


だけど、その手は空を切った。


ううん、違う。


届かなかったんじゃなくて…触れなかったんだ。


「え?え、え???」


何度も、何度も何度も何度もここあの肩を掴もうとする。


でも、いっこうに触れない。


すっ、って…私の指が透き通って、貫通する。


なんで私、透けてるの?


私死んだの?


いや、まさか。


だって私は教室で寝ただけだし…って、あぁ、なるほど。


そういえばこれ夢なんだっけ?


そう言えばさっきからここあが一人言を呟きすぎてるのもおかしいと思ってたけど、よくよく考えれば口も動いてなかったような気がする。


心の声…とか??


夢なんだからあり得ないことでもない。


…………………。


じゃあ仕方ないか。


とりあえず、ここあについていこう。


スタスタと歩いていつの間にか保健室を出ていたここあ。


バタン、と目の前で扉がしまった。




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