わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「あっ、待って……」
言いかけて、口をつぐむ。
やっぱりドアを触ることも出来なかったから…。
「えぇ………これ、向こう側に行けるの?」
腕は貫通しているみたいだけど、私には扉がしっかりと見えている。
仮に今の私は壁をすり抜けることが出来るとしても、目の前にあると認識しているものに突っ込んで行くのには少し抵抗がある。
だってもしすり抜けれなかったら…絶対痛いでしょ?
でも、うじうじしてたらここあに置いてかれちゃうし…。
「…………………もう、どうなっても知らないわよ!!」
ぎゅっと目を瞑ってヤケクソ気味に扉に突進することにした。