知りたくなかった本当の気持ち
しかしすぐに若王子は返事をしなかった。
グラウンドで準備をしている風磨君の姿が見える。
風磨君も......私の事気になってるんだ。
そう思うと少しだけ、顔に熱を帯びてしまう。
しかしずんずんと先に歩かれる。
別にそのまま自分のスピードに合わせて歩けばいいのに、若王子に追いつこうとしている。
何も喋ってくれない。
このまま何も言われない方がいいのかな。
「何でお前気づかないんだよ」
いつもより低い声で、私は聞かれる。
あまりに真剣な感じだったから、ついつい彼の顔に目を向けてしまう。
それにこの場所で話し始めたのも引っかかる。
何で私の思い出の場所の土手なんかで。
「気づかないって何が?
やっぱり情報収集して私を......」