知りたくなかった本当の気持ち
「來奈ちゃん...
何かあった?」
戸成先輩の言葉で、ようやく我に返った自分。
気がつくとこの部屋にいる人みんながこちらを見ていた。
「あ、すいません!!」
急いで戸成先輩の席に、回収した用紙を置いた。
その時もまだ私には異常があったみたいで。
戸成先輩から心配の声が出た。
「本当大丈夫?
それ、冷や汗?」
ちょっとした顔の湿気を見つけられた。
「とりあえず今日は帰りなよ。
あとは俺たちがやっとくから」
そんな優しさが、私には嬉しかった。
だけど...私はそんな会長の優しさを無駄にする。