知りたくなかった本当の気持ち

若王子康弥 ワカオウジヤスヒサ side


久しぶりに地元に戻ってきた俺。



今までいた所から戻ってくるのに、多少抵抗はあった。



だけど目の前のコイツ、秦野がいる所に住むのも悪くないと思い親にわがままを言わなかった。



まさか同じ学校に通えるとは思ってなかった。



今こうして一緒に歩いてるのが奇跡だ。



小学生の頃、めちゃくちゃコイツをいじめてた。



心から傷ついているのも知ってた。



それなのに俺は自分の気持ちを素直に伝えられないせいで、意地悪をやめられないでいた。



今だってそうだ。



秦野がびくついてるのがわかる。




黙って何も言ってこない。



それにイラついて、俺は言う。



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