私の居場所
考え込んでいる私に気づいた颯太さんは不思議そうだった。

箸やお茶碗はほとんど颯太さんの一存で決まった。

…というか、とてもご機嫌に颯太さんはそれを選ぶと一応私に聞くが、あまり私の意見は耳に入らなかったようだ。

特に私もこだわりがあるわけでもない。

でもマグカップは違った。

こちらは特におそろいにする必要もないだろうと、私もかなり熱心に見ていた。

「これ…。」

私が目を付けたのは、黒いマグカップ。

それに星座があしらってあって、とてもシンプルでおしゃれ。

「私は蟹座だから…、これだ。」

私はそれを掲げた。

「私、これにします。」

即答する私に、同じシリーズのマグカップの中から颯太さんはひとつを選び出す。

「俺はこれだ。」

よく見ると、それは乙女座。
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