私の居場所
「一緒に園のエプロンも選んだ。それは俺からの今日のお礼。」

私はその袋を持ったまま、立ちつくしていたみたい。

そばに来た颯太さんに、後ろから抱きしめられていた。

「やっぱり園は温かい。手だけじゃなくずっと触れていたくなる。」

「ここは颯太さんのアパートの前ですよ。誰かに見られたら…。」

私は慌てて、その腕から抜け出そうとした。

「そうだな。ここじゃ、邪魔になるか。」

颯太さんはそう笑うと、意外とあっさり私を離した。

ちょっと物足りない。

そう思ってしまう私はどうしてしまったんだろう。












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