私の居場所
「園美、そろそろだからお皿並べてくれる？」

お母さんは一度コンロの火を止めた。

「園美、チャーハンをお皿に盛っておいて。」

それだけ言うと、お母さんは二人の居る居間の方に行った。

言われるまま、用意した。

でもしばらくたってもお母さんは戻ってこない。

てっきり二人に昼食の準備が出来た事を伝えに行っただけだと思っていた私は、不思議に思った。

そっと居間に近づく。

「とにかく帰ってくれ。」

そういうお父さんの声が聞こえた。

何が起こってるの？

私は驚いて、居間に飛び込んだ。

すると出ていこうとする颯太とぶつかりそうになる。

「颯太？」

私は颯太の腕を掴もうとしたが、それはすり抜けられてしまった。
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