私の居場所
比較的ゆったりとした状態だった午前中の工場。

それがたった電話1本で、途端に忙しくなった。

「社長、月曜日の午前中に納品予定のねじを今日中に納品出来ないかって問い合わせが来たんですけど。」

慌てて私は工場へ走って、それを伝える。

明日は日曜日だから、製品は今日中には出来上がる。

それを月曜日の朝一で奈緒さん夫婦が納品する予定だった。

でも今日中に納品となると、向こうの会社の定時6時の遅くとも30分前には着かないといけない。

そうなると4時にはここを出ないと間に合わない。

1時間前倒しとなる。

「うん…。ぎりぎり何とかなるか…。」

雅さんが唸っている。

時間は2時少し前。

「園美ちゃん、OKの返事しておいて。」

雅さんの様子を見て、社長はGOサインを出す。

それと同時に敏さんが動き出す。
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