私の居場所
「納品に行ってきます。」

そう言いながら工場から出て来た則人さんに私は伝票を渡す。

4時少し前。

何とか間に合いそうだ。

その後から出て来た奈緒さんも私に親指を立てて、満足そうだ。

「行ってらっしゃい。」

私は二人を見送った。

その後からぞろぞろと工場から出てくる社長達。

みんな疲れた顔をしているけれど、ニコニコしている。

私はそんなみんなの顔を見て、お茶を入れた。

「みなさん、本当にお疲れ様でした。」

そう言いながら湯呑を置いていく。

「ありがとね。園美ちゃん。」

悦子さんもホッとしたように、椅子にもたれかかった。

「福山、いいタイミングで帰って来たな。俺が呼んでいたのが聞こえたか。」

そう言って笑う雅さん。
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