私の居場所
「園、ごちそう様。」

そう言って食器を洗う颯太。

私はその横で、コーヒーを入れてテーブルに置いた。

もちろんおそろいのマグカップ。

颯太がこちらへやって来た。

「後片付けありがとう。」

これからはこういう言葉もちゃんと伝えよう。

「いいや、園の夕飯の支度の方がいつも大変なんだから。」

ニコニコと機嫌の良い颯太。

「お腹いっぱいだ。慣れた家にも帰って来たし、園も居る。」

「でも、良かったの?」

「何の事だ?」

向こうの娘さんとの結婚を断った件は、ちゃんと颯太から説明を受けていない。

自分の中でちゃんと折り合いをつけたい。

「怒らないで聞いてね。その…向こうの工場の娘さんの事なんだけど…。」

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