私の居場所
13
「おはよう。園」

私の後ろから聞こえる颯太の声。

私は颯太の胸の中でぐっすりと眠れた。

こんなに熟睡をしたのは、久しぶりだ。

「ん…、もう朝なの?」

私はまだ寝ぼけている。

「あれだけ感じてたんだ。身体も疲れるわな。」

そんな颯太の言葉に過敏に反応してしまった。

やっぱりこの人は意地悪だ。

時々優しいけど。

「俺、考えていたんだけど、やっぱりちゃんと園のご両親に会いに行きたい。」

私は颯太の方を振り返った。

「考え方は違ったけど、園を思う気持ちは一緒だ。やっぱり電話だけでは失礼だ。」

もうそう決めたんだろう。

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