私の居場所
「構わないよ。でもその親父も早くに亡くなってさ。施設に引き取られて、何とか高校を卒業して、すぐにこの工場で働き始めたんだ。」
福山さんは、ふっと言葉を切ってこちらを見た。
「社長夫婦に可愛がってもらってさ。それに雅さんや敏さんも居る。すごく恵まれていると思う。」
優しい笑顔を見せる福山さん。
そんな福山さんの生い立ちは知らなかったな。
そりゃ、自分からはそんな事は話さないよね。
この工場に雇ってもらった事が良かったと感じているのは、私だけじゃないんだな。
きっと雅さんや敏さんもそうなんだろうな。
そう考えると、やっぱり福山さんって嫌な人じゃないよね。
そう思っていると、福山さんニヤッと笑う。
「それに、園みたいに扱いやすい奴も居るしな。」
さっきのは撤回。
やっぱり福山さんは意地悪だ。
「もう、このまま途中で置いて帰りますよ。」