私の居場所
そう言ったお母さんに向かって、福山さんは頭を下げた。

「あら、どちら様かしら?」

そう言うお母さんの声に何やら福山さんが答えているが、ちょうど車のドアを閉めた私には聞こえなかった。

「そうですか。いつも園美が会社ではお世話になっています。どうぞ入って下さい。」

お母さんはニコニコして、福山さんを招き入れた。

その福山さんのシャツを後ろから引っ張る。

「今お母さんに何て言ったんですか?」

急に笑顔になったお母さん。

多分福山さんが言った言葉に反応したんだろう。

「別に。」

面白そうに笑いをこらえている福山さんに、嫌な予感がする。

「何してるの?」

お母さんに促され、私達は家の中へ入って行った。

「園美がお客さんを連れてくるなんて、戻って来てから初めてじゃないか?」

お父さんは男の人を連れて来た私に、ちょっと意外そうな表情をした。
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